介護施設で入居者が負傷した場合の施設側の責任とは?

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介護施設において入居者が負傷する事故が発生した場合、施設側は法的な責任を問われる可能性がありますが、その責任の根拠は多岐にわたり、事故の状況によって判断が異なります。

ここでは、介護施設で入居者が負傷した場合の施設側の責任について考えていきます。

介護職員個人の責任

介護事故において、事故に関与した介護職員個人が責任を問われる可能性もあります。

民事責任については、職員の故意または過失による行為が不法行為(民法第709条)に該当する場合、入居者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

しかし、実際には、損害賠償請求は使用者である施設に対して行われることがほとんどであり、職員個人に請求されるケースは稀です。

刑事責任については、職員の重大な過失により入居者を死傷させた場合、業務上過失致傷罪・致死罪が適用される可能性があります。

介護施設の法的責任

介護施設が負う可能性のある法的な責任は、主に以下の3つに分類されます。

安全配慮義務違反

介護施設は、利用者との契約に基づき、利用者の生命、身体、財産を保護し、安全にサービスを提供する義務(安全配慮義務)を負っています。

安全配慮義務違反が認められるかどうかの判断においては、「予見可能性」と「結果回避義務」が重要な要素となります。

すなわち事故の発生を予見できたか、そして予見できた場合にその結果を回避するための適切な措置を講じていたかが問われるのです。

使用者責任

介護施設の職員が、業務遂行中に故意または過失によって利用者に損害を与えた場合、その職員を雇用している施設側は「使用者責任」を負います(民法715条)。

職員側の過失によって、利用者に損害を与えた場合には、施設側は職員の行為によって生じた損害について賠償する責任があります。 

工作物責任

介護施設の建物や設備に設置または保存上の不備(瑕疵)があり、それによって入居者が負傷した場合、施設側は「工作物責任」を負う可能性があります(民法717条)。

工作物責任においては工作物が通常有すべき安全性を欠いていたかどうかが問われますが、通常有すべき安全性の基準は、一律の基準ではなく、その工作物の種類、性能、設置場所、使用方法に応じて個別に判断されます。

利用者がよく使用する場所かどうかなど、場所や使用目的ごとで求められる安全性が異なるというのがポイントです。

これらの法的責任は、それぞれ独立して成立する可能性がありますが、ひとつの事故に対して複数の責任が問われることもあります。

まとめ

介護施設で入居者が負傷した場合、施設側は安全配慮義務違反、使用者責任、工作物責任といった複数の法的責任を問われる可能性があります。

ただし、これらの責任追及をするにあたっては、施設側に法的責任があることを、損害賠償請求をする側が立証しなければなりません。

介護施設での事故の責任追及は弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

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